本長すぎ…。重要なとこだけ教えてほしい
こんなお悩みがある方。エッセンシャル思考の重要ポイントを僕が3つにまとめました。
本記事の内容
- エッセンシャル思考の要約
- 危険性やデメリット
- 仕事への活かし方
社会人になってから、ビジネス書を年間120冊は読んでいる僕が、実際に読んで書評。
現在サラリーマンとして働いており、その視点で仕事への応用方法も解説します。
僕もエッセンシャル思考を用いることで、毎回まわりの人より2段階くらい上の評価をいただいています。
エッセンシャル思考を理解することで、
- ストレスが圧倒的に減ります。
- 仕事の効率が爆上がりします。
- 「最短で成果を出すやり方」を考えられるようになります。
3分で読めるので、エッセンシャル思考を知りたい方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
もくじ
エッセンシャル思考の要約
書籍で重要なポイントを3つに要約しました。
- そもそもエッセンシャル思考とは?
- 見極めること
- 捨てること
要約1.そもそもエッセンシャル思考とは?
「仕事のやり方を変えるための思考術」と本書では語られています。
「99%の無駄を捨てて、1%に集中する方法」とも書かれています。言い換えると「本当に大事ことにのみ集中する技術」といえるでしょう。
エッセンシャル思考を体現する重要な3つの考え方があります。
- やらなくては⇒やると決める
- どれも大事⇒大事なことはめったにない
- 全部できる⇒何でもできるが、全部はやらない
非エッセンシャル思考との違い
図を見てください。人間のエネルギー(1日に使える時間など)が一定だとします。
非エッセンシャル思考の人は、同時に多くのことをこなそうとします。
なぜなら「どれも重要だ」と考えてしまっているから。
ただ複数のことに注力すると結果としてどれも中途半端になり、それぞれうまくいったとしても6~7割ほどの完成度になります。
反対にエッセンシャル思考の人は、「いまもっとも重要なこと」にエネルギーを集中。
1点に集中させることで必要最小限の努力で10割、もしくはそれ以上の成果をあげることができます。
こんな疑問があると思います。
たとえば、仕事が3つあったとします。本人はどれも重要だと考えています。
ただ実際には、1つの比重が大きく成果に直結する仕事であった場合、すべてに集中しようとすることで結果として成果が落ちてしまいます。
- 仕事A 重要度10
- 仕事B 重要度3
- 仕事C 重要度5
使える時間が10だとして、すべてに均等に配分すると、
- 仕事A:
⇒時間配分(4)×重要度(10)= 40 - 仕事B:
⇒時間配分(3)×重要度(3)= 9 - 仕事C:
⇒時間配分(3)×重要度(5)= 15 - 合計:40 + 9 + 15 = 64
1つの重要な仕事に注力した場合、
- 仕事A:
⇒時間配分(10)×重要度(10)= 100 - 仕事B:
⇒時間配分(0)×重要度(3)= 0 - 仕事C:
⇒時間配分(0)×重要度(5)= 0 - 合計:100 + 0 + 0 = 100
イメージとしてはこういうことです。
(時間=成果とはならないケースもありますが、エネルギーを配分するイメージとして時間を使っています)
世の中はトレードオフ
「何かを選ぶことは、何かを捨てること」。つまり、トレードオフという考え方です。
人は何かを選ぶとき、何かを犠牲にしています。
時間やエネルギーは有限。
わかりやすく仕事でいえば、
ランチにいったら仕事はできない。仕事をずっと続けていたらランチにはいけない。
どこかのタイミングで「ランチにいく」という選択が必要です。
先ほど挙げた3つの仕事の時間配分も同じ。仕事A,B,C3つをこなそうとすれば時間を配分するしかありません。
時間を配分するということは、1つのことを集中するのに比べて仕事の成果が落ちます。
逆に1つの仕事に集中する場合、後の2つの仕事はできません。
もしどの仕事も全力(10)の時間を使ってこなそうとする場合、家に帰れない、ストレスがたまるなど、仕事以外の事象でトレードオフが発生するでしょう。
だからこそ、エッセンシャル思考が必要になるんですね。
要約2.見極めること
非エッセンシャル思考の人は、あらゆる話に反応し、何でもとりあえずやってみる。だからこそ多くのことに手を出すが、すべて中途半端な結果しか得られない。
それに対してエッセンシャル思考の人は、何かに手を出す前に幅広い選択肢を慎重に検討する。
そして「これだけは」ということだけを実行する。
行動を起こす数は少ないが、やると決めたことについては最高の結果を出す。
仕事A,B,Cの中から「もっとも重要な仕事」を判断する技術。
もしくはそもそも、いま仕事をすべきか他の事をすべきか判断する技術。
それがエッセンシャル思考では必要不可欠です。
環境を整える
まずは、環境を整えること。
「集中せざるをえない状況をつくる」ということです。
エッセンシャル思考には、「集中」が必要です。ここでの「集中」とは1つのことを考え続けることではありません。
様々な選択肢から「いま、もっとも重要なことは何か?」と考えて選択することです。ロジカルシンキングではなく、ラテラルシンキングというイメージでしょうか。
特に「考える時間を確保できる環境づくり」がポイントです。
具体策として、
- 空白の時間をつくる
- あえてスマホの電源が入らない場所にいく
などが挙げられています。
実際、万有引力の法則を発見したアイザック・ニュートンもあえて集中する環境を作り、法則を発見したと語られています。
あのアイザック・ニュートンも、万有引力を論じた主著の執筆に際し、2年間ほとんどひとりきりで引きこもっていたらしい。近代物理学の基礎となる偉大な理論は、その孤立した場所から生まれた。
「考えることしかできない状況」だからこそ、集中できるということですね。
90点ルールを採用
選択する具体的な技術として、90点ルールも有効です。
90点ルールとは、本書を引用すると
最重要基準をひとつ用意し、その基準に従って選択肢を100点満点で評価する。ただし90点未満の点数は、すべて0点と同じ。不合格だ。こうすれば、60~70点くらいの中途半端な選択肢に悩まされずにすむ。
基準をとことん厳しくすること。それが、選択する上で非常に大切だと述べられています。
「中途半端な選択肢」は時間を浪費してジャマになるだけです。
たとえば、服で考えてみます。
クローゼットの中身を整理するとしましょう。
あなたのクローゼットをみたとき、普段あまり着ない服まで収納されてないでしょうか?
という中途半端な基準で収納していれば、中身がいっぱいになります。
そこで「この服が本当に大好きか?」と自問自答して、90点以上。
つまり、「大好き」だと判断できるものだけ残す。それ以外は捨てるか売りに出す、というイメージです。
80点以下の服を意図的に捨てることで、本当に必要な服のみ残すことができます。
要約3.捨てること
エッセンシャル思考とは何かを考え、その基準で選択する技術を知りました。
次にやることは、吟味した結果「不要となった選択肢を捨てる技術」です。
さきほどのクローゼットの整理をイメージしてください。いる服といらない服に選別することができました。
あなたは、いらない服をいますぐ捨てることができますか?
「捨てられる」という場合、この章は不要です。
「んー、ちょっと悩むなぁ」という場合。
「捨てる」のも技術です。技術を学んで、捨てる勇気をもちましょう。
本質を捉え、目標を明確にする
捨てるには、明確な目標が必要です。
目標が明確になっているからこそ「いらないもの」が判断できます。
明確な目標の基準
- 数字で判断できる
- 行動にうつすイメージがわく具体性
この2点が加味されていると、目標が明確になります。
例としてあげられているのは、企業のミッションステートメント。いわゆる、社訓ですね。
飢餓問題に取り組む2つの企業の社訓があります。
- 企業A:世界から飢餓を撲滅する
- 企業B:ニューオリンズの下9地区に住む世帯のために、低価格で環境にやさしく、災害に強い家を150戸建設する
圧倒的にBのほうが目標が明確ですよね。
Bであれば、リソースが限られる中で「ニューオリンズ以外の地域は選択肢から除外する」という判断が容易にできます。
これもさきほどの90%ルールと同じです。
「なんとなくわかる」ものではなく、理解度を100点満点としたとき「これは80点だ」と明確にわかることが重要です。
断る技術
クローゼットの整理のように自分1人で完結するものであれば、考えを整理して、決意すれば捨てられますよね。
ただ実際のビジネスの現場では、他人とのかかわりによってエッセンシャル思考が必要な場面が多いはず。
他人とのかかわりの中で、選択肢を捨てる一番の技術は「断る」ことです。
つまり、上手に「ノー」という技術。
「ノー」というためのコツを3つ紹介します。
- 判断を関係性から切り離す⇒相手を拒絶することと、頼みを断ることについて、別のモノだと再認識する
- 直接的でない表現をつかう⇒「うれしいのですがあいにく手がいっぱいで」などの間接的な表現にして、否定を和らげる
- トレードオフに目を向ける⇒イエスということで、かわりに失うモノを考える
特に「直接的でない表現を使う」が一番具体的かつ行動にうつしやすいでしょう。本書で紹介されている表現のバリエーションをさらにいくつか紹介します。
- とりあえず黙る
- 代替案を出す
- 予定を確認して折り返します
- 自動返信メール
- 「かわりにどの仕事を後まわしにしますか?」と確認
- 冗談めかして断る
- 肯定を使ってから否定する
- 別の人を紹介する
などが挙げられています。
エッセンシャル思考の危険性やデメリット
1点、注意が必要です。
それはエッセンシャル思考にもデメリットがあるということ。
エッセンシャル思考はうまく活用すればストレスなく成果を爆上げしてくれるものとなります。ただ間違った使い方をすれば「ただの変わった人」となる危険性があるとも思っています。
うまく使えるかの1番のポイントは「判断の正確性」です。
なぜならエッセンシャル思考のリソース全振りは「正しい方向に進むこと」が大前提だからです。間違った方向に全力で進めば、悪ければ元より後退する可能性だってあります。
個人の問題については判断軸が自分のみでOKですが、仕事上の判断はまわりと相談しつつ進めることが大切でしょう。
A,B,Cと3つの案があったとき。まわりがB案で進めようとしているなか、自分だけA案を全力でやっても無意味です。
そうではなく「A案とC案は●●ですが、いまもっとも優先すべきことはなんですか?」とまわりに問いかけて本当に注力すべきことを考えなおすキッカケとして使うほうが合理的です。
「いまもっとも重要なことは何か?と考える発想をもつこと」自体を大切にすべきだと思っています。
エッセンシャル思考を仕事で実践
僕が実際に活用している方法を2つ、ご紹介します。
実践1.時間(リソース)の割り振り
僕は「1日の稼働時間を計算して、重要だと思う仕事にリソースをより多く振る」ということをしています。
平均的な人であれば大体、1日8時間でしょうか。
タスクを洗い出して、大体割り振って作業するはずです。(正確に割り振ってなくても大体感覚的にしていたり)
- タスクA:2時間
- タスクB:4時間
- タスクC:2時間
この場合であれば、タスクBが一番重要だという前提で、そこに6時間のリソースをあてるようにします。
必然的にタスクAは1時間、タスクCは1時間となり、減ってしまうでしょう。
一番わかりやすい「時間」を強制的に変えることで「重要な仕事はより多く時間を割き、それほど重要でない仕事は短時間で終わらせるためにどう工夫するか?」と考えることができます。
考え方の1つですが、僕はこの考え方を取り入れたことで、重要な仕事により注力できるようになりました。
実践2.必要性・作業内容の再確認
上記は時間配分でしたが、そもそも「この作業は必要か?」という確認も日次もしくは週次でおこなっています。
タスクを整理するタイミングで、
- その仕事をやらなくてもいい方法
- もしくは工夫して時短する方法
を検討するようにしています。
タスクを洗い出してそのまま作業という流れだと今まで気づかなかったものが、改めて考えると時間の節約につながります。その結果、やるべき仕事に注力できるという感じです。
具体的には、
- 日次作業をテンプレート化(日報や報告事項など)
- 仕事の内容を依頼者へ再確認して、内容を減らす
- 惰性で続いている無駄な慣習・文化をさりげなく上司にアピールして撤廃してもらう
などなど。
個人でできることと、協力が必要なこととあります。「より少なく、しかしより良く」をベースに何が出来そうか?と考え実践していくことが大切かと思います。
まとめ
非エッセンシャル思考 | エッセンシャル思考 | |
考え方 | ・やらなくては ・どれも大事だ ・全部こなす方法は? |
・これをやろう ・大事なことは少ない ・何を捨てるべきか? |
行動 | ・差し迫ったものからやる ・反射的に「やります」と言う ・期限がせまると根性でがんばる |
・本当に大事なことを見定める ・大事なこと以外は断る ・あらかじめ障害を取り除いておく |
結果 | ・何もかも中途半端 ・振りまわされている ・何かがおかしい ・疲れきっている |
・質の高い仕事ができる ・コントロールしている ・正しいことをやっている ・毎日を楽しんでいる |
再度、本書の比較表です。
様々なシーンでエッセンシャル思考を取り入れて、効率よくこなしていきましょう。