今回はなんとなく分かるようで分からない「マーケター」についてです。
もくじ
マーケターとは?
マーケターとは、直訳だとマーケティング業務に従事する人のことをいいます。
そしてマーケティングとは、様々な定義ありますが僕は「お客様に価値を提供してお金をいただくこと」をマーケティングと定義しています。
なのでつなげて考えると、「価値を提供してお金をいただく活動をする人」ですね。
(「ドリルを売るには穴を売れ」の本で有名な佐藤義典さんの考えを参考にしています。)
たとえば経理や財務などで「お金の管理をきちんとして取引先に迷惑をかけない」というのも1つの価値提供=マーケティング活動の一環と捉えられます。
はい、企業の活動すべてがマーケティングプロセスの一環です。
「どの部分を担ってるか」だけの違いなので、広義の意味では全員マーケターといえるでしょう。
ただ実際、一般的に「マーケター」と呼ばれる際にはその中でもとくに、「集客・販売の仕組みを考える人」が世間的な意味では使われているように思います。
つまり企業内の部署をベースで考えると「マーケティング部で仕事をしているような人」は一般的にマーケターという位置づけになるはずです。
マーケターの仕事内容
マーケターの仕事は、お客さまに価値を提供する流れを作ること。
もっといえば、
- お客さまに価値をある商品を作ること
- お客さまにその価値ある商品を届けること
だといえます。
具体的には、マーケティングのフレームワークである「4P」がそのままマーケターの考えるべき仕事となるでしょう。
4Pとは、
- Product:製品
- Price:価格
- Promotion:販促
- Place(Placement):流通
売れる製品を作り、適切な価格で、適切な販促手段を使って適切な流通(販路)に流す。
この一連の流れが仕事内容になります。
実際にはこれらを考えるために、市場分析・ターゲット設定など他にも考える要素がたくさんあります。
またマーケターの仕事で醍醐味でもあり難しい点として、「4Pを適切に考えるには自社の経営戦略から理解して4Pに落とし込む必要がある」ということです。
なぜなら、現代ではモノがあふれていて、”ただ良いだけの商品”は売れません。
「誰にとって、どのような価値があるのか?」これが非常に大切です。
マーケティング用語で「訴求」ともいいますね。
たとえば、本屋に行ったとします。
- 全年齢・男女双方向けのファッション雑誌
- 20代~40代男性向けのファッション雑誌
- 20代~40代女性向けのファッション雑誌
このなかで、どれを手にしますか?
僕は30手前の男性ですが、必然的に男性向けの雑誌に興味がいくと思います。
女性であれば、女性雑誌でしょう。
つまり、1の全年齢の人に向けた商品は誰にとっても価値がないのです。
”すべての人”に向けたものはすべての人に(誰からも)選ばれないということです。
訴求には
- どんな価値(ベネフィット)を伝えるか
- 類似商品と比較して、なぜ選ばれるのか?(差別化)
などが考えられていないと、手に取ってもらえないからです。
そしてこの訴求を考えるにあたっては、自社の経営戦略と連動させて、同じ方向性のものを考えていくことが大切です。
なぜなら一過性の訴求だと、
- 他社に簡単にマネされる
- 自社の強みが活かしづらい
- 誰にも価値が響かない
といったことになりがちです。
自社の経営戦略と連動した訴求であれば、独自の経営資源に基づいているので高い価値で、かつ、他社にも簡単にマネできないものとなります。
つまり、経営戦略⇒戦略に基づいた訴求⇒訴求の具体的な活かし方として4P
という流れで考えることが大切です。
マーケターの仕事内容の具体例
今回は、「豚丼」について。
豚丼はたしかBSE(狂牛病)で経営不振になりかけたときに出来た商品だったと思います。
世間が牛丼に不信をもっていたときに牛丼の代わりとなる主力商品が必要でした。
豚丼を生み出せたのはまさに、マーケターの功績の1つだったといえるでしょう。
まず、経営戦略。
吉野家は「うまい、やすい、はやい」を軸として掲げており、これが経営戦略の根幹になっているものと想像できます。
つぎに、訴求。
吉野家が基本としている訴求の1つは、以下のような感じでしょう。
訴求
- 誰に:忙しいビジネスパーソン
- 価値:時間を節約しながら、すぐにそこそこおいしいご飯が食べられる。
最後に、4P。
上記をあてはめると
4P
- Product:安くて早く提供できて、そこそこ美味しいもの。
- Price:安いものを求めてるお客さんなので、他と比べて「安い」と感じる価格設定。
- Promotion:駅前の店舗がそもそも多いので、店舗前に看板など出して販促。
- Place(Placement):店舗
これらを牛丼以外で実現する手段として「牛を豚に変えて、豚丼を販売する」という戦略を生み出しました。
この「豚丼」というマーケティング戦略によって今までの牛丼と同じく、安くておいしいものを店舗内で提供し続けることができたということです。
(実際にはもっと細かく考える部分があるのですが、分かりやすく簡素化しています。)
マーケターの仕事内容に向いてる人
マーケターに向いてる人はずばり、「なぜ?と1つのことを深堀していける人」だと思います。
スキル的なことでいえば、論理的思考力とイメージ的思考力、つまり右脳も左脳も使う職種だといえます。
- 論理的に戦略を整理する(左脳)
- その戦略に沿って具体的な案を考える(右脳)
大体の人は、どちらかに長けています。そういった意味でもマーケターに必要な要素の半分は元から持っているといえるでしょう。
では、どうすればあとの半分を手にできるのか?
その答えが、非常にシンプルですが「人より多く考えること」です。
そのためには、「なぜ?」と疑問をもって自分なりに色々なことを考えることで
- 論理的に整理できるようになる
- 具体的に考えていくのでイメージ力も上がる
という力が養われていくはずです。