「ペルソナ設定が大切」ってよく耳にしませんか?
ちなみに僕もむかし、マーケティングを学びはじめたときにいくつかサイトを見てまわりました。
そのときの気持ちとしては
となっていましたが、実際現場でつかおうとすると
みたいなコトが結構ありました。
さきに簡潔にいっておくと、ペルソナ設定とは「架空の人物像を作り上げること」です。
言いかえれば「ターゲット設定の詳細版」といったところでしょうか。
ただそうはいっても実際に
- なんのために設定する?
- 具体的にどうやって設定する?
- ペルソナ設定で絶対おさえとくべき1つのコトって?
- よくいわれるけど、ほんとはいらない考え方があるのに…
このあたりが分かりづらいので、解説してみたいと思います。(特に初級者向け)
もくじ
まずペルソナ設定の前には事前にターゲット設定をおこなう
以前に別記事でかいたように、まずはターゲット設定をしておくことが大切です。
商品認知ベースでタイプ分けを行います。
まさかターゲット設定=ペルソナだと思っていませんか?この記事ではかなり簡単に解説しました。
実際にはターゲット設定⇒ペルソナ設定にうつる前に、人口統計ベースのセグメンテーション(分類)を行っておくとよいです。
人口統計セグメンテーション例
- 性別(男性 or 女性?)
- 年齢(20代?30代?40代?)
- 住まい(関西在住?関東在住?)
- 家族構成(単身?子供はいる?)
などなど。
これらは一例です。
人口統計ベースのいいところは、モレやダブりがでないところです。
「男性かつ女性である」みたいな奇妙な人がでないってことです。
ペルソナ設定の必要性
その後に、ペルソナ作成を行っていくのですが、そもそもなぜペルソナ設定を行うのでしょうか?
ずばり、「どのベネフィットを伝えるか」を明確にするためです。
この目的を忘れないことが、ペルソナ設定においてもっとも大切です!
ちなみにベネフィットについて復習したい方はこちら
【ゆるく解説】マーケティングにおけるベネフィットの意味とは?ターゲット設定を行った時点でまずざっくりセグメントされていますが、それのみではまだ幅が広すぎます。
たとえば、ドトールコーヒーで考えたとき、
タイプ分け
- タイプ①:ドトールコーヒーを探してる人
- タイプ②:カフェを探しており、どこがいいか迷っている人
- タイプ③:ドトールコーヒーが提供できるベネフィットに興味はあるが、選択肢の候補にドトールコーヒーやカフェがないような人。
となります。
ただこれだけの情報で考えようと思うと、当てはまる人が多すぎです。
このへんはカフェが多いので、タイプ②を狙って新規施策を考えるとして
カフェを探してる人
- 営業マンで仕事したい人
- 主婦で友達としゃべりたい人
- 大学生カップルでちょっと休憩したい人
だれでもあてはまります。
単純にこの3パターンに対してベネフィットを考えたら
ベネフィット
- 営業マン(仕事したい)
⇒電源つかえるよ - 主婦(友達と楽しく話したい)
⇒席の間隔がひろいので、まわりを気にせず話せるよ - 大学生(安く休憩したい)
⇒チェーン店なので、手ごろな値段でカフェが利用できるよ
みたいな感じです。
また、営業マンの中でもさらに20代男性と50代男性では、悩みも違うでしょう。
- 純粋に休憩したい人
- ちょっと仕事したい人
- 打合せに使いたい人
みたいな感じで結構いろんなパターンが考えられます。
そういった意味でも「ターゲットをきめていく」というのは奥が深く、ターゲット設定をさらに細分化していくツールとしてペルソナ設定があるという感じです。
ペルソナ設定はさっきの例でいうと、タイプ②の中でもさらに実際にお店にきている人を人口統計ベースで考えてみて、
- 営業マン
- 20代
- 関西在住
のように定義したあと、「東京に出張にくることが多くちょっと仕事するスペースを探す」ことが多い。
そのため、悩みとして「電源が使いたい」
なのでベネフィットとして「電源がつかえるよ」と訴求する。
このような感じでその属性(ターゲット)の「悩み」「欲求」を具体的に考えて訴求を作るために行う作業です。
長くなりましたが、こういった前提をふまえてペルソナ設定のやり方について解説します。
具体的なペルソナ設定の方法(やり方)・コツ
って人向けにやり方をお伝えします。
ペルソナ設定は、さきほど言いましたがターゲティングであらかじめ決めておいたユーザーをさらに詳細に深堀していって、具体的な「悩み」「欲求」を洗い出す作業です。
たとえば先ほどのドトールコーヒーの営業マンの例。
「カフェを探していて、20代で関西在住の営業マン」ってどんな人だろう?と考えて1人の人物を作り上げるイメージです。
ペルソナ例
- 20代~30代男性
- 営業マン
- 関西在住
- 出張で東京にきている
- IT関係の仕事
- パソコンは会社支給のwindowsを使用
- 会社支給のパソコンは古くて、すぐに電池がきれる
- おまけにメモリ不足でネットも遅い
これでいれば、
- 電源がつかえる
- 席の間隔が広いので仕事に集中しやすい
なんかが「ベネフィットとして訴求できそう」と考えられます。
また、もし現状になくても今後の展望として「高速の無料wi-fiが提供できればさらに差別化できるかも?」みたいなコトも考えれるでしょう。
ここで、ペルソナ設定を考えるうえで必ず守るべきことがあります。
それは、事実ベースで人物像を考えていくこと。
これがめっちゃ大切。
ペルソナを作るとなると基本的に、ターゲット像を想像して要素を洗い出していきます。
そのとき、都合のいいほうに考えていきがちですが
- 店舗なら来店者を実際に見てどのような人が多そうかチェック
- Webなら顧客データをみて、年齢や性別、購入品などから人物像をチェック
- 新しい層ねらいなら、競合する店舗やサイトを実際にみて購入者はどんな人なのかチェック
実際にいる人や起こったことをベースに考えることでズレが少なくなります。
きまりはありませんが、たとえば以下のような項目について考えられているといいかなと。(人口統計の要素含めて)
- 性別
- 年齢
- 住まい
- 職業
- 時間があればやりたいこと
- どういった発言が多いか
- よく身に着けているもの、持ち運ぶもの
- 態度、ふるまい
こういったところから最終的に「何に悩んでいそうか?」「何が欲しそうか?」っていうのを導き出します。
ペルソナ設定って詳細にしぼりすぎて大丈夫なの?
これ、めっちゃ思いますよね。
ただ、よく考えてみてください。
あなたが20代男性だとして、雑誌を買うとしたとき「子供からおじいちゃん・おばあちゃんまでこれを見てね!」みたいな雑誌よりも「20代メンズファッション特集」みたいな雑誌のほうが手に取りますよね。
つまり、そういうことです。
これはよく言われますが、「誰にでもささる訴求は、誰にもささらない」ということ。
ちなみに上記でもあるように、1人にしぼって具体的な人物をイメージすることは、問題ないです。
むしろ、いい。
ただ僕が実際に現場レベルで思うことがあります。
それは、ペルソナ設定を行うときに「ペルソナシート」みたいなの作ってるケース。
あれは正直、いらない。
結構Webマーケティングの記事をかいてるサイトや本で、「ペルソナシートを作ろう。フォーマットはここからダウンロード」みたいなやつ、見かけます。
シートを作る目的は、施策をやる上で関係者全員に人物像のイメージ共有をするため。
僕も最初は、それにならって作っていましたが結局、
「要素だけ見てそれぞれで近い人をイメージしてもらったほうがわかりやすくね?」と思いました。
つまりさっきの、
- 営業マン
- 20~30代男性
‥
みたいな特徴だけ出すと、それぞれでイメージする人が違ってきちゃいます。
なんで、そのイメージ統一をはかるために顔とか名前まできめちゃおうぜって感じなんですが結局それをみても考える際には自分の近くの人から考えます。
たとえば自分の兄が20~30代の営業マンでさっきのやつにそこそこあてはまる感じだったとします。
ペルソナシートで決まったのが「佐藤さん(仮名)、顔はこんなんです」となりました。
どっちがイメージしやすいです?
絶対「兄」のほうですよね。
というか佐藤さん(営業マン25歳)と言われても、
じゃあ佐藤さんが
- どんな悩みがありそうでしょう?
- どんなデザインを好みそうでしょう?
となれば、結局もともとの特徴に近い「兄」をベースで考えるんですよ。
なのでペルソナ設定を考えるときにシートまで作って共有するのは、ただのシートづくりが目的になっているケースが非常に多いです。
もちろん自分のなかで、具体的な人物像が出るまで要素を洗い出して身近な人・いままでの人生で出会ってきた人からイメージできておくことは大切です。
でもそれ以上は必要ないって感じですね。
まとめ
今回は結構長めにお伝えしましたが、とにかくペルソナ設定については
大事なコト
- あらかじめターゲット設定する
- 必ずペルソナ設定の目的を忘れない(ベネフィット決め)
- ペルソナ設定シートは基本いらない
このあたりが守れてさえいれば、現場レベルでつかうには満足できるモノができるかと思います。
ぜひ、トライしてみてください!