「量と質どっちが大切か?」
よく話題になるこのテーマ。
あなたはどちらを大切にしていますか?
もしくは今、「どっちを重視すべきなのか」と考えて悩んでいますか?
もくじ
質の大切さ
「質を高める努力をしない限り、量をこなしても無意味」これが僕の考えです。
これは、量が質に転化する。
つまり「”量”を多くこなしていけば、それがやがて”質”になる」というもの。
ビジネスの世界ではよく、有名な経営者やデキる上司などが「量をこなせ!」といいます。
やる前からあれこれ悩んで考える前にとにかくやってみる。
そしてやった結果から自分なりに学んで、だんだん効率のよいやり方を見つけたり、専門性を高めたりする。
“質”を得るには”量”があってこそだと。
たしかにどの分野においても、はじめから質を完璧にすることはできません。
トップの人たちでさえ日々、「完璧」を求めて試行錯誤しています。
こう考えると「やはり量をこなすべき」という考えが正しいように思えます。
ただひとつ注意してください。
もっといえば、”質”について考える努力をするからこそ、成長するのです。
量に注力して質をおろそかにした具体例
たとえば英語教材を扱う新人営業マンの例で考えてみましょう。
新人営業マンとして配属されたAさんとBさんがいます。
Aさんは営業として配属後「どうすれば売れるのか?」と必死に考え、飛び込み営業をおこなっています。
しかし現実は厳しく、なかなか商品は売れません。
そこで売れている先輩営業マンにアドバイスをもらいました。
「営業は商品のメリットを伝えることが大切だ」
この考え方をベースに朝から晩まで、飛び込み営業をします。
「英語教材はいかがですか?聞き流すだけなので、勝手に耳が慣れて自然に英語が習得できます」
たまに興味をもって教材を買ってくれる人もいますが、1日に1人いるかいないか、そう多くはいません。
さらに何日か続けて飛び込み営業をおこないますが、購入してくれるのは同じように1人くらい。
つづいてBさん。
やはり営業としてなかなか売れません。
Aさんがきいた同じ先輩営業マンに同じアドバイスをもらいました。
「商品のメリットを提示しろ」
そして同じように飛び込み営業をします。
最初は売れませんでしたが、何日かすると1日に10人の人に購入してもらえる売れる営業マンになることができました。
なにがちがったのか?
それは「商品のメリットを伝えるときに相手に合わせて伝え方を変える」という工夫をしました。
相手がビジネスマンで忙しいときには、最初と同じように「時間がないので、1日10分何か作業しながら聞き流すだけ」というアプローチ。
ただ一方主婦のような時間がある人向けには、「時間があるからこそ、耳から聞き流す簡単な作業を1日中、家事をやっている間に繰り返しおこなうことで記憶に定着させましょう」というアプローチ。(もちろんこのアプローチが適切かの是非はおいといて)
これは単純に顧客の属性を、“時間”という視点で区切って、訴求の仕方を変えています。
Bさんは様々なお客さんに営業する中で「英語教材に興味のある人の中でも、求めていることがちがうんじゃない?」ということに気づきました。
そして「お客さんによってアプローチを変えていく」という営業手法を習得しました。
この例では、AさんもBさんも同じように“量”をこなしました。
しかし成長して成果を上げることができたのはBさんだけ。
なぜかといえばそれは、Aさんは量をこなすこと”しか”していなかったからです。
成長には結局どちらも意識してPDCAを高速でまわすべき
量をこなして質に転化させるには、「質を高めるための工夫や努力があってこそ」なのです。
その中で「お客さんはなにを求めているのだろうか?」「どういうところがこの人にとってメリットになるんだろう?」
そういうことを考えれるかどうか。
つまり「質を高めようと意識できているかどうか」それが大切です。
“質”があってはじめて”量”の経験を活かせます。
最近のビジネスニュースや自己啓発書をみていると、この「考える力があってこそ」という前提の抜けているものが多いような気がします。
ただ矛盾するようですが、量も大切です。
あくまで「どちらにより比重をおくべきか?」と考えたときに、質のほうが大切ということ。
お互いを意識して、いかにすばやく、深く、PDCAをまわしていけるか。
これが成長するために絶対必要な要素です。
まとめ
量と質どっちが大事か?
そこについて考える気持ち、めちゃくちゃわかります。
だって効率よく成長したいし仕事もできるようになりたいですよね。
ぼくは量を意識したり質を意識したり色々工夫してやりましたが、結局どっちも大事だとわかりました。
最近、ゆとり教育の反動もあり「量をこなせ」という風潮が強く、質について考えない大人が多いです。
「成長するための本質とは何なのか?」ということを自分で考え、思考のベースにしてみてください。